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『ボクスが帰ってきた[原題]』レビュー ネタバレありver.

『ボクスが帰ってきた[原題]』

韓国での放送時期:2018年12月~2019年2月


キャスト:ユ・スンホ,チョ・ボア,クァク・ドンヨン 他

脚本:キム・ユニョン

演出:ハム・ジュンホ


あらすじ

カン・ボクス(ユ・スンホ)は勉強はできないが、明るくイケメン、腕っぷしが強くソルソン高校の人気者。


ひょんなことから先生の命令で同じクラスの優等生、スジョン(チョ・ボア)とぺアを組み一緒に勉強することに。

全校1位のスジョンは当初は嫌々ながらボクスを教えるが、スジョンの意外に男勝りな性格を知ったボクスは彼女に惹かれ、デートを申込む。

こうして付き合い始めた2人だったが、ボクスに劣等感を抱く同級生のセホ(クァク・ドンヨン)が屋上から落ちる事件が発生。

ボクスはセホを助けようとしたものの、スジョンはある事情から「ボクスがセホを突き落とした」と証言し、ボクスは校内暴力の加害者として退学に追い込まれる。 


9年後、誰も信じられなくなったボクスは詐欺まがいの便利屋として働いていた。


一方学校を卒業後、母校の非常勤教師となったスジョンは担当していた生徒の自殺を止めようとし、誤って川に落ちてしまう。

そこに偶然居合わせたボクスが金目当てにスジョンを助け、世間の注目を集めてしまう。


その頃母校の理事に就任したセホはスジョンを助けたのがあの時のボクスだと知り、復学生として呼び戻すことに。

学校への復讐を誓うボクスだったが、教師として再会したスジョンや一回り若いクラスメイトたちと共に過ごすうちに、かつての正義感がよみがえり、次々と学校問題の解決に乗り出していくことに!

『ボクスが帰ってきた[原題]』相関図
『ボクスが帰ってきた[原題]』相関図

『ボクスが帰ってきた[原題]』

視聴時期:20年4月30日~5月3日

 レビュー評価:

(4点)
(4点)

ユ・スンホ主演ということで、観てみた作品です。

 

評価は、結構悩みました。星3.5点じゃ低いかな、と思いつつ、星4点は高いかな、と思ったり…^^;

でも、結局ユ・スンホ主演ということで、少し甘めに星4点にしました。

 

この作品は、復讐ものとみせかけて、ただの初恋やり直し純愛ラブストーリーでしたが、結構面白かったです。

私は、初めから復讐ものとして観ていなかったのでそれなりにおもしろく観れましたが、復讐ものだと思って観始めた人には物足りないかもしれません。

タイトルから、ユ・スンホ演じるカン・ボクスという名前と、"復讐"の복수(ポクス)の2つの意味があると分かっていた方は、復讐ものだと勘違いしてしまうかも…。

私は、ボクスに、名前と復讐の2つの意味があることを観始めてから知りました。台詞で「復讐」のことをポクスと発音していて、「タイトルは、そういう意味もあるのか」と。

 

この作品が良かったポイントは、結構いい台詞がいっぱいあったことです。

偉人たちの言葉をボクスがただ言ってるだけなところもあるんですが、ボクス自身の言葉でも結構いい台詞があって印象に残りました。

 

例えば、ヨン・ジュンソク演じるヨンミンをガラスブースから出すために言った「自分を自由にできるのは自分だけ」という台詞や、クァク・ドンヨン演じるオ・セホに言った「俺はお前を許さない。でもお前自身はお前を許してやれ」という台詞。

あとは、ボクスの母親がセホに言った「同じ過ちを犯しそうになったら、またここに来て黒酢麺(ジャージャー麵)を食べなさい。背中を叩いてあげる」という台詞。

どれも印象的で胸にくる台詞でした。

 

ボクスは、確かに頭は良くないですが、生徒たちのために動いて立ち向かってくれるので、皆がボクスに惹かれる理由が分かりますし、人気者になるのも納得できますね。

 

ソン・スジョン演じるチョ・ボアが好きでも嫌いでもなく、ボクスとスジョンの恋愛にそこまで興味なかったので(笑)、どちらかというとボクスとクラスメイトとのストーリーや終盤の復讐の方が興味があって楽しかったです。


スジョンがあまり魅力的に見えなかった原因は、9年前にボクスを信じきれなかったことが大きいです。好きな人なら信じてあげるべきだし、「話ぐらい聞いてあげなよ!」とつっこみたくなりました。もちろん、スジョンがそうなる理由もあるわけですが、その理由が私にはいまひとつ納得できませんでした。

 

仮に、ボクスが本当にスジョンが生活保護を受けていることを言いふらした張本人だとしても、それだけでボクスを信じられなくなったのは、理由としては弱いと思ってしまってスジョンに共感できませんでした。

スジョンが生活保護を受けているのは事実ですが、ボクスにとってはあの屋上での事件でその後の人生そのものが劇的に変わるわけですし、高校生だったならスジョンだってそれくらい分かるでしょうに…。

人一人の人生がかかってる訳ですから、せめてボクスの話を聞いて欲しかったです。

 

まぁ、後々スジョンがボクスを信じられなくなったのは言いふらしたと思っていたことが原因じゃなく、ボクスに哀れまれたと思ったことが嫌だった、ということが分かるので、少しはスジョンの心情が理解できましたけど…。

でも、それでも、ボクスとスジョンの恋愛に関してはそこまで没頭できなかったです(笑)

 

その辺が、評価を下げた理由です。

 

セホに関しては、酷い奴でムカつきましたが、セホの背景をみていくと結局母親のせいでもあるので、セホが気の毒に見えなくもないというか…。もちろん、全部が全部母親のせいではないですが、母親にあんな風に育てられたら、ひねくれちゃうのも無理ないというか…。

韓国ドラマの主人公と対峙する嫌な奴の親って、なんでこんなにもクズばかりなんだろうか?それで少しは、嫌な奴にも視聴者に同情心を抱かせる作戦?

まぁ、セホを気の毒と言ってる時点で、私も制作者の作戦に踊らされてるかもしれないですが…^^;

最後は、セホも改心して良かったです。

 

脇役では、学校の教員たちが知ってる有名な方たちばかりでビックリしました。

 

あとは、クラスメイトのヨンミン役の子が良かったなと思い少し調べてみたら、『華麗なる遺産』のウヌ役の子でビックリしました。

華麗なる遺産を観ていた時もこの子いいなぁと思っていましたが、まさかこんなに大きくなったなんて!感慨深いです…。

実はイ・ジュンギ主演の「一枝梅~イルジメ~」を観ていた時に、凄いちょい役で出ていたんですがその時は気づいたんです。

でも、今回は私の知ってるウヌじゃなくなっていて、立派に大きくなっていて気がつきませんでした。


ヨンミン役のヨン・ジュンソク、大きくなっても主役顔じゃなさそうで、これからも脇役で終わりそうなのが残念ですが、やっぱり私はこういう薄い顔が好きなんだなと改めて実感しました(笑)