『麗~花萌ゆる8人の皇子たち~』
韓国での放送時期:2016年8月~11月
キャスト:イ・ジュンギ,IU,カン・ハヌル,ホン・ジョンヒョン,ナム・ジュヒョク 他
脚本:チョ・ユニョン
演出:キム・ギュテ
あらすじ
ある日、化粧品販売員のコ・ハジンは、湖に落ちた子供を助けようとして溺れてしまう。目を覚ますと、なんとそこは高麗時代だった!
ハジンの魂は少女ヘ・スの体で目覚め、高麗の初代皇帝ワン・ゴンの宮廷で生活を送ることに。そこで彼女が出会ったのは、世にも美しい8人の皇子たちだった。
優しい第8皇子ワン・ウクと惹かれ合う一方、冷徹な第4皇子ワン・ソに幾度となく危機を救われるヘ・ス。ワン・ソの素顔に触れ、次第に距離を縮め始めた矢先、彼こそが後の第4代皇帝光宗だと知る。
果たして、ヘ・スの恋は歴史を変えてしまうのか——!?
『麗~花萌ゆる8人の皇子たち~』
視聴時期:20年4月2日~5日
レビュー:
この作品ほど、邦題を恨んだ作品はありません。
韓国ドラマ好きの方が、よく「邦題がダサいダサい」と言っているのを聞いたことはありましたが、今まではそこまで気になることはありませんでした。
ですが、この作品は、内容と邦題が合わなすぎな気がします。
まず、タイトルとポスター、予告動画の"イケメンプリンス・ロマンティック・ラブコメディ"という謳い文句(←なにこれって今でも思う(-_-#))で、私は、逆ハーもので、ただのかる~いラブコメドラマかと思っていたので、今まで観るのを避けていました。
ですが、他に観たいドラマもなく、イ・ジュンギが出演しているということで観てみることに。
ふたを開けてみれば、全然想像してたラブコメドラマじゃなくてビックリしました。
ラブコメ一色は苦手な私からしたら良かったですが、逆にラブコメ好きな人は騙されたと思うんじゃないだろうか?と思うほど…^^;
もちろん、ラブコメ要素もあります。
ですが、ラブコメ色が強い前半でも、イ・ジュンギ演じるワン・ソがいることで、シリアスシーンや残虐なシーンもありますし、ラブコメ一色ではなかったです。
後半は、シリアス展開ばかりでした。
ただ、シリアスの中にもきちんとラブラインもあったので、シリアス好きの私は、最初から後半ぐらい重くても良かったと思ったくらいです。
正直、韓国と同じようなタイトルやポスターだったら、もっと早く観ていたと思うので、邦題やポスターを決めた方をちょっと恨みましたね(笑)
だって……
⬆️これと…
⬆️これでは、与える印象がまったく違うと思います。
もちろん、私は韓国版のポスターの方が断然好きでした。
このドラマの何が良いって、8人の皇子たちそれぞれのキャラクターにちゃんと個性があって(第9皇子のウォンは、ちょっと印象薄かったですが)、それを演じるキャストもハマっていて、台詞もいちいち胸に刺さるところです。
例えば、IU演じるヘ・スの中で、ソの存在が大きくなってきていることに気づくシーン。
「会うたび怖くなります。別の人に向かっていた心が、あなたを無視できなくなってる」というモノローグは、胸が締め付けられました。
それまでは、カン・ハヌル演じるウクに向かっていたスの心が、ソに度々助けられることで揺らぎ始め、気持ちが変化していくことへの戸惑いが痛いくらいに分かり切なくなりました。
後半へ進むにつれて辛いシーンが多くなってきたこの作品。
ソが皇帝になってからは、スとソが少しずつすれ違っていってしまうのを観るのが、とても辛かったです。
最終的に、チェリョンの件が引き金となり、スは皇宮から去ることを決めるのですが、 チェリョンの気持ちがあまり理解できなかった私としては、ソのもとを離れる決め手として少し欠けてるように感じました。
好きな人であるウォンに尽くしたいチェリョンの気持ちは分かりますが、人を殺してまでウォンを裏切れない、という気持ちは理解できませんでした。
人を不幸にしたり陥れたりした上に、幸せはなりたたないと思います。
目の前でムが殺されたを見た時点で、チェリョンにはそのことに気づいて欲しかったですね…。
まぁ、だからと言って、チェリョンを殺すことはなかったと思うので、スの気持ちも分かりますが…。
ソはソで、スとウクが以前婚姻の約束までした仲だったと知り、ショックでスへ怒りをぶつけてしまいます。
このことで完全に2人は離れることになるのですが、このシーンは、ソに対して「なぜ!?」という思いが強すぎました。
ソは、今までどんなことがあっても、スのことを信じ想いは変わらなかったのに、なぜスの気持ちを疑うのか。
何度も「絶対に手放さない」と言っていたのに、それは嘘だったのか。
そんなことを思いながら、ずっと号泣していました(T0T)
結果的に、本当にこの後二度と2人は会うことがなかったのですが、このシーンを見ている時は、まさかそんな結末とは思ってもいなかったので、この時に別れても最終回までにはまた再会するだろうと思っていました。
ですが、私の願いも虚しく、最後の最後まで本当に会うことがなかった2人。
それを知っている上でこのシーンを観ると、より切なさが増します…。
そして、ついに、スが皇宮から去る時のモノローグ。
「出会わなければ恋しがらずに済んだ。
知らなければ思い出さずに済んだ。
一緒にいなければ去らずに済んだ。
慈しまなければ記憶に残らずに済んだ。
愛していなければ互いに捨てずに済んだ。
出くわさなければ共にいることもなかった。
いっそ出会わなければよかった」
号泣でした。
韓国ドラマは(特に時代劇は)、よく人が死ぬイメージですが、それにしてもこのドラマはどんどん死んでいったので辛かったです。
韓国ドラマで、こんなに人が死ぬのも、こんなに誰も結ばれない結末も初めて過ぎて、視聴後は、しばらく放心状態でした。虚無感が凄くて、受け入れられませんでした。
よくありがちですが、せめて現世で出会って微笑んで終わり、という最後だったらまだ希望があったのに…。
最後のソの台詞とアップは格好良かったですが、それでももう少し希望ある終わり方にしてほしかったです。
自分の中でうまく消化できず、YouTubeでメイキング動画を観たり、スとソの微笑ましいシーンを観たり、ファンが作った、2人がその後現世で再会するという動画を観たり、続編やる予定はないのかと調べたりして、なんとかこの虚無感を埋めようと頑張りました。
希望はとっっても薄いと思いますが、続編をいつまでも待ってます。連ドラじゃなくてもSPドラマでもいいので、続編をやって欲しいです。あと5年くらいは待てます(笑)
なんで韓国ドラマって続編少ないでしょうか…。
そして、何よりこのドラマでイ・ジュンギにハマってしまいました!
もちろん前から知っていましたし、主演ドラマの「イルジメ」を観ても何とも思わなかったのに、このドラマのイ・ジュンギは、はまり役で格好良すぎました。
最初は冷たい目でスを見ていたのに、どんどんスを見る目が優しくなり、繊細な感情表情がとてもうまくて、魅了されてしまいました。そして、なにより、普段の冷たい表情からの笑顔が可愛くてギャップにやられました。
こういうちょっとヤンデレ寄りのツンデレな性格が、私のドストライクなだけかもしれないですが…^^;
キスしようとする時、必ず腰に手を回して引き寄せるところはドキドキしましたし、「私の人だ」、「絶対に手放さない」といった真っ直ぐな台詞にはキュンとしました。
おかげで、イ・ジュンギの動画もYouTubeであさりまくり中です(笑)
あとは、OSTがとても良かったです。
今まで韓国ドラマを観ていてもOSTが良いと思ったことはなかったですが、このドラマのOSTはどれも良かったです!
特にEXOの「for you(君のために)」は、切ないシーンでよく流れていたので、その曲を聞いただけで今でも泣きそうです…。
本当いいドラマでした。
ヒロインが亡くなる上に好きな人に最後を看とってももらえないなんて、悲恋中の悲恋で悲しすぎるストーリーでしたが、それでも、それまでのストーリーが良すぎて、ハッピーエンド至上主義の私でも評価を下げられないんです…。
ただ、やっぱりハッピーエンドではなかったので、評価は0.5下げています。
史実上の人物だからだとしても、そこはファンタジーだしドラマだし、無理矢理にでもハッピーエンドにして欲しかったです。
もちろん、ああいう終わり方だったからこそ、印象に残るドラマになったという人の意見も分かりますが、あまりにも悲しすぎると自分の中で消化できないので…。
ストーリーとは関係なく、少し気になったのですが、このドラマ無駄にアップカットが多い気がします。私だけでしょうか?
なぜそこでアップ?というシーンが多くて(特に前半)、ときどき苦笑いしてしまいました^^;
最後に。
私が印象的だったシーンを。
スが初めてソにお化粧をしてあげるシーン。
もちろん、1話から惹きつけられた作品ではありましたが、8話のこのシーンは、私がさらにこのドラマの世界にどっぷりハマるきっかけとなった特別なシーンです。
そして、もう一つお気に入りのシーン。
ソが使臣として発つ前、庭園でのソとスのシーン。
ソがスの腰に手を回しキスしようとしますが、スは顔を背けます。
そんなスを見て、「バカだな。もう勝手にはしない」と言って腰に回した手を離しますが、スの不意をついてキスをし「ウソだ」と一言…。
ここのシーンは、好き過ぎましたね。
大好きです。
そして、去り際の笑顔にまたやられました。
大好きな作品すぎて、レビューも、とても長くなってしまいました^^;
あしからず…。
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