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2年前、公園の湖で溺れた子供を助けたとき、溺れて死んだ――はずだった。
目が覚めると、そこは遠い遠い千年前の時代。
コ・ハジンの魂は少女ヘ・スの体に乗り移り、コ・ハジンはヘ・スとして生きることを決めた。
そして、そこで8人の皇子たちと出会い、そして、一人の人を命つきる瞬間まで全身全霊で愛した。
真実と嘘。
誤解と嫉妬。
愛していても、皇帝の座の前では、結局お互いを捨てる選択しかできなかった。
人生は儚かった。
ヘ・スとしての人生を終えると、またコ・ハジンとして現代へ戻ってきた。
湖で溺れて病院に運ばれ一週間意識不明だった、と後から聞いても、もちろんそんな実感もなく、言いようもないほどの疲労感を感じているだけだった。
それから、毎日同じ人が出てくる夢を見るようになった。起きると必ず泣いている。
その人を知っているような、会ったことがあるような、そんな気がしたけれど、思い出すことはできなかった。
その人のことを思うと、胸がキリキリと痛むだけだった。
1年後、何気なく足を向けた高麗風俗画展で、すべてを思い出した。
あの人を一人にしてしまった。
約束を果たせなかった。
結局、何も変えられなかった。
泣きじゃくりながら、あの人にずっと謝ることしかできなかったあの日から、もうすぐ1年が経とうとしている。
あの日、散々泣いた後で、ジモンに似た彼ともう一度話したいと探したけれど、どのイベントスタッフに聞いても訝(いぶか)しげに首を傾げるだけで、彼を見つけることはできなかった。
それからも、ハジンの日常は変わらない。
今でも化粧品販売員として働いている。
毎日、ふとした瞬間にあの人を思い出し胸が苦しくなることはあるけれど、それでも生きなくては――。
高麗では、天命を全うすることが難しい人が多かった。
そんなあの時代を知っているからこそ、恵まれたこの時代に生まれたからには生きなくては、と思う。
不思議なことに、高麗での出来事をすべて思い出してから、あんなに毎日見ていたあの人の夢を一切見なくなった。
夢でもいいから会いたいのに、その願いさえ叶わなくなった。
会いたい。
叶わない願いだと分かっているのに、気がつくと願ってしまう。
会いたい。
触れたい。
抱き締めたい。
ただ、
会いたい――。
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